日常生活や運動の中で、不意に足をひねってしまうのはよくあることです。
しかし適切な処置をしないまま放置すると、けがが悪化して完治まで長引くこともあります。
しかし怪我がどんな状態で、どんな対処をすれば良いのかはわからない方も多いでしょう。
この記事では、足をひねった際の重症度をセルフチェックする方法と、適切な対処法を解説します。
足をひねった痛みを迅速に取り除き、早期回復を目指したい方はぜひ参考にしてみてください。
足をひねった時は重症度をセルフチェックしよう
足をひねった時は重症度をセルフチェックするのが肝心です。
我慢できる範囲の痛みであったとしても、専門医による治療が必要なケースもあります。
具体的なセルフチェックの考え方は以下の通りです。
- 骨折していないかチェック
- 医療機関の受診を考える際の基準
- 自分で治せるけがの基準
それぞれ解説します。
骨折していないかチェック
足をひねった際は、まずは骨折していないかチェックしましょう。
足の捻り方によっては、捻挫ではなく骨折している場合があります。
骨折してないかチェックする際の具体的なポイントは以下の5つです。
- 足首を動かしたときに痛みがある
- 足首の内側か外側に痛みがある
- 足首の内側か外側が腫れている
- 足首に歩けないほどの痛みがある
- 足を地面につけたときに痛みがある
上記のいずれかに該当する場合は、骨折の可能性があります。
ただしセルフチェックでわかるのは、骨折の可能性だけです。
いずれの項目に該当していなくても、骨折している可能性があります。
セルフチェックの結果に関わらず、痛みが強い場合は医療機関を受診するのがおすすめです。
医療機関の受診を考える際の基準
医療機関の受診が必要なのは、骨折や靭帯が損傷している場合です。
適切な処置を行わないと、治りが遅くなるばかりか後遺症が残る可能性もあります。
靭帯損傷により医療機関の受診を考える際の、具体的な基準は以下の通りです。
- 広範囲が酷く腫れている
- 患部が熱感をもってズキズキ痛む
- 1週間以上安静にしても痛みが引かない
足をひねった時は、靭帯を損傷している可能性があります。
動作に違和感がある場合は、医療機関の受診を考えてみてください。
自分で治せるけがの基準
足をひねっても自分で治せる場合もあります。
軽度のけがであれば、医療機関での治療も自分でできるようなものがほとんどです。
自分で治せるけがの基準の一例は以下があります。
- 患部があまり腫れていない
- 患部を動かしてもあまり痛くない
- 触っても熱感がない
上記の状態であれば、応急処置後に薬や湿布で痛み止めすれば大丈夫です。
ただし靭帯が損傷していても、痛みを感じにくい場合もあります。
1週間以上痛みが続く場合や、関節に違和感がある場合は念のため医療機関を受診するとよいでしょう。
足をひねった時の重症度は3つに分類される
足をひねった時の重症度は3つです。
重症度に応じて治療にかかる期間や、治療の流れも異なります。
具体的な重症度は以下の通りです。
- 靭帯が軽く傷ついた状態(Ⅰ度損傷)
- 靭帯が部分的に切れた状態(Ⅱ度損傷)
- 靭帯が完全に断裂した状態(Ⅲ度損傷)
それぞれ解説します。
靭帯が軽く傷ついた状態(Ⅰ度損傷)
靭帯が軽く傷ついたり、伸びてしまった状態がⅠ度損傷です。
軽症なので日常生活への支障はあまりありません。
Ⅰ度損傷の治療のイメージは以下の通りです。
- 治療にかかる期間は1週間前後
- 関節のぐらつきはほぼなし
- サポーターで関節を固定
軽く腫れて弱い痛みがあるものの、内出血は少なめです。
多くの場合、足を地面に着けて歩けます。
関節のぐらつきや強い痛みがなければサポーターも必要ありません。
痛みがなくなれば、運動を開始しても大丈夫です。
靭帯が部分的に切れた状態(Ⅱ度損傷)
靭帯が部分的に切れてしまった状態をⅡ度損傷と呼びます。
Ⅰ度損傷よりも強い内出血と腫れが現れるのが特徴です。
痛みはあるものの足を地面につけて歩ける場合もあれば、耐え難い痛みで歩けない場合もあります。
Ⅱ度損傷の治療のイメージは以下の通りです。
- 治療にかかる期間は1ヵ月から2ヵ月程度
- 関節に軽度から中等度の緩み
- サポーターやシーネによる固定
歩けないほどの痛みがある場合は、シーネで患部を固定して松葉杖を使います。
痛みや腫れが引いたら関節の固定は終了です。
無理に体重をかけることはせず、痛みに応じて徐々に負荷をかけるようにしましょう。
痛みがなくなり、関節が安定していれば治療は終了となります。
靭帯が完全に断裂した状態(Ⅲ度損傷)
靭帯が完全に断裂したⅢ度損傷の状態では、足を地面につけて歩けません。
多くの場合はⅡ度損傷と同様の治療を行いますが、固定による治療が効果的ではない場合は手術を行うこともあります。
Ⅲ度損傷の治療のイメージは以下の通りです。
- 治療にかかる期間は3ヵ月から半年以上
- 関節に強い不安定感
- シーネやギプスによる固定
- 重症の場合は手術
Ⅲ度損傷の際はリハビリテーションも積極的に行います。
治療が長期に及ぶので、足の筋力や関節の柔軟性が低下するためです。
エコーやMRIで患部の状態を見ながら、適切な強度の負荷を加えていきます。
また治療が進んでいても、けがをする前の状態まで靭帯が回復していない可能性もあります。
そのため運動の再開時期は医師と相談して決めるのが良いでしょう。
足をひねった時はRICE処置で応急処置しよう
足をひねった際に自分でできる応急処置はRICE処置です。
応急処置は早ければ早いほど効果があります。
ぜひ痛みが強い時は、自分で応急処置してみてください。
具体的なRICE処置のやり方は以下の通りです。
- Rest(安静)
- Icing(冷却)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
それぞれ解説します。
Rest(安静)
足をひねった直後はなるべく楽な姿勢で安静にしましょう。
ひねった部分を動かすと、周辺の組織が損傷して腫れや内出血が酷くなることがあります。
安静といっても横になって休む必要はありません。
足が動かないようにするのが肝心です。
けがをした直後だけでなく、痛みが引くまではあまり患部を動かさないようにするとよいでしょう。
Icing(冷却)
安静が確保できたら、患部を冷やしましょう。
すぐに患部を冷やせれば、腫れや内出血を抑えられます。
痛みが引くだけでなく、けがが治るまでの期間も短くなる効果があります。
ただし冷やしすぎると凍傷になる可能性があるので、冷やし過ぎには注意が必要です。
氷を入れたビニール袋をタオルでくるんで、20分程度患部に当てるのが手軽に冷却する方法となります。
反対に患部を温めてしまうと、けがが悪化するので注意が必要です。
けがをして数日は、患部を温める可能性のある入浴や飲酒、温湿布は避けてください。
Compression(圧迫)
患部を冷やしたら、テーピングや包帯で患部を圧迫しましょう。患部周辺を圧迫すれば、腫れや内出血を抑えられます。ただし強く圧迫し過ぎると血液が循環しなくなり、圧迫した部分の先がうっ血してきます。
患部を圧迫する際は痺れやうっ血がないか確認してください。特に患部を冷やした直後は、感覚が鈍っています。そのためきつく圧迫しすぎないように注意が必要です。
Elevation(挙上)
圧迫までの処置が終わったら、患部を心臓よりも高く挙げます。
血流を抑えて腫れや内出血が悪化しないようにするためです。
患部を心臓よりも低い位置にしていると、血液が多く流れ込むので腫れや内出血が悪化するおそれがあります。
足首を挙げるのであれば、仰向けになった状態でイスの上に足を乗せるのがおすすめです。
イスがなければ、仰向けのまま足の下にクッションやタオルを入れると良いでしょう。
足をひねった時は医療機関の受診がおすすめ
足をひねった時は医療機関の受診がおすすめです。
セルフチェックで問題なかったとしても、専門医の診察を受けると重症だと診断される場合もあります。
具体的な理由は以下の3つです。
- 足の捻挫は適切な治療を受けないと再発しやすい
- 靭帯に損傷があってもあまり痛くない場合もある
- 適切な処置で悪化を防いで早期治療を目指せる
靭帯に損傷があった場合は、放っておくと足首の関節が不安定なままになります。
そのため再発リスクの高いけがなのです。
捻挫初期の対応が不十分であったり、適切なリハビリを行わないでいたりすると、少しの衝撃でまた捻挫します。
なかむら整骨院では、けがの完治後の生活も考慮した治療を行っています。
アスリートがより高いパフォーマンスを発揮できる治療や調整が特徴です。
けがを乗り越えて、より成果を出せる身体をつくりたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ:足をひねったらセルフチェックして適切に対処しよう
足をひねった際の重症度をセルフチェックする方法と、適切な対処法を解説しました。
セルフチェックの結果、重症だった場合は速やかな医療機関への受診が必要です。
けがの応急処置にはRICE処置がおすすめです。
けがをしてすぐに適切な処置を行えれば、治りが早くなります。
捻挫は再発リスクの高いけがです。
自分で治せそうであっても、不安があれば受診を検討すると良いでしょう。
なかむら整骨院はアスリートの治療に特化した整骨院です。
種目別の特別プログラムでアスリートそれぞれの悩みや課題の解決を目指しています。
それぞれの競技種目や、アスリートの個性に合った施術を希望する方は、一度ご来院いただければ幸いです。